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2005/11/19

和の輪を継ぐ。-其の弐-

ひとつひとつ揃った円を整形しながら、

ひとつひとつ違っている。

DNAの増殖のよう。ひとつの家系に伝わる顔のよう。

生んじゃう、生んでいく、生まれていく。

この脈々とした、淡々とした流れに魂が揺すぶられる。

オーバルになろうが深底になろうがちゃぶ台になろうが。

「円」のたゆたいは同じ釜の飯を喰らっている。

伝統ってそういうものなんだよと語りかけてくる。

幾つもの輪が整然と収まる“入れ子”を眺めているうちに、

蝙蝠のへその緒が、びゅん、とフライの釣り糸のように

古の時空に飛んでいくような気がした。

二代目の正昌さんは、父の背と技を眺め追いつつ、

自分なりの進化のDNAをわっぱ宇宙に宿そうと精進し続ける。

父がいなければ彼は「それ」を生むこともなかったろう。

七つの子ならぬ七つの入れ子。

ぴしっ!と気持ちよく収まるように仕上げるには、

かなりの熟練を要する。まるで男女の和合のよう。

一筋縄ではひとつになれない。魚心と水心を呼吸して、と。

そして、杉は形を変えて再び、年輪を描きはじめる。

お弁当を食べ終えたら、ひとまわり大きい寸法のわっぱが

ひっくり返ってピタリと蓋に転身。

その繰り返し。

七つ子兄弟のせわしなさから生まれるような、

合理的な発想の“世話もの器”。

ああ、なんだか、涙が出ちゃう。

家族の円と和のループが、

両手に収まるほどの小さな宇宙の中、無限にひろがる。

職人って、特別な職業じゃないなあ。とても普遍的。

家族のルーツを示す、伝道師みたいなものかもしれないね。

写真は二代目・正昌さんと、江戸時代の入れ子わっぱ

(株)柴田慶信商店

http://magewapp.hp.infoseek.co.jp/

http://www.chuokai-akita.or.jp/magewappa/shibata/index.htm

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