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2006/06/19

吟遊詩人の銀幕ソング。−寺田町−

かれこれ、15年以上になる。彼と出会ってから。
使い込んだアコギ一本肩に背負い、北は北海道、南は九州まで。時にはソロで、時にはロックバンド「横道坊主」でも活躍のベーシスト・橋本潤(ex.ロッカーズ、シーナ&ロケッツ、泥沼楽団)との麗しき不良中年DUOでの吟遊旅。これが、彼のライフワークとなって久しい。
その唄い姿は、暗闇のステージでしなやかに背骨を踊らす黒猫のようであり、風暗い街の路地裏物語を映しだす幻灯師のようでもあり、月あかりの甘くほろ苦い光で心を包むセレナーデの紡ぎ手であったりする。
かつては、「和製トム・ウェイツ」と多く称された彼のしわがれ声は、怠惰と退廃を上澄みだけで演じる贋物・如何物ではなく、少し鼻にかかった甘さがどこかくすぐったくもある、ホンマモン色男の溜息なのである。

言葉はよく吟味され、煌めきを丹念に織り込んだ詩は、モノローグで綴られる銀幕を、脳裏と心底に映しだす。彼の唄が投げかけてくるキーワードは、いつも蝙蝠を、ゴダール映画のアンナ・カレーニナや、ヴェンダース映画の風来坊たちや、ボニー&クライドにさせてくれる不思議な魔力があるんだなあ。
そんな彼の唄声は、映画「鬼火(望月六郎監督・原田芳雄主演)」や「レグラバザポチ(中村一彦監督)」の中でも聴くことができる。フィルム・ノワールにぴったりしっくり来るのは、彼自身が無類の映画好きということもあるかも知れない。

こちらが溜息をつかされるのは、その独特の唄世界だけじゃない。爪弾くギターの生の音色も、近年はことさら艶を増し、繊細なメロディからロックやブルース魂を骨太に感じさせるビートまで、耳を傾けるほどに心地よい響きに満ち溢れている。ギター弾きならば、秘かに必見、必聴のアコギ名手でもある。

さて、(久々の)閑話休題。
今年も夏の始まりに、彼が名古屋の街にやってくる。蝙蝠は毎年、彼のツアーはじめのこのライブで、夏開き。
今回は、前作『月にひまわり』(2005)に続き、なんと10作目となる最新ソロ作『暁と夕べに』を引っ提げてのCDリリース記念ライブ。
名古屋今池のBAR ZEROでは、マイクもなし、完全「生音・生声」でのネイキッドなステージに。マスターNAOKIの洒脱なカクテルや、選りぬきワイン・焼酎のグラスを片手に、氷も手も足も鳴らして、くつろぎの酩酊を楽しもうじゃありませんか。
緑の公園をバックスクリーンに、どなたさまも、銀幕の主人公に。
LIVEの詳細はこちら。

■寺田町ソロLIVE(名古屋今池)
6月25日(日)  music saloon ZERO
20:00START/ライブチャージ 2000円

その他のツアースケジュール・プロフィール・ディスコグラフィー等「寺田町」の情報はこちらからどうぞ

 寺田町公認website

 ○MobileAkatuki5

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