帝国ホテルで朝食を。-吉兆-
夏が、終わる。
5、6月と海を越えたり、新幹線を乗り継いだり、
早めのバカンスを楽しんだせいか、
蝉時雨がピークに達する頃には
すっかり心は夏枯れに。
お盆ラッシュを避けて、2週続きで神戸・大阪、
夏休みはこぢんまりと?「帝国ホテル 大阪」に潜伏。

2008春、15〜18階までの4フロアが「リニューアルフロア」として一新。今回は、そのオープン記念の会員限定プランでダブルルーム泊。
十年ぶりぐらいだろか。
前に来たのはたしか、夜更けだった。
時間の決められていないお迎えを待つ間、
その落ち着かない気持ちを緩めてくれたのが
「オールドインペリアル・バー」での一杯。
キャプテン・モルガンと言う、バニラスパイスとトロピカルフレーバーが香るプエルト リコ産のプレミアム・ゴールドラム。合わせてもらったシガーは何だったか。甘めの、たぶんロメオYジュリエッタ。少し感傷的、でも官能的な印象が鼻腔の奥に、いまも微かに残っている。
エントランスのアロマ・サービスなど、さりげない出迎えが女性には嬉しいもの。

どこかせつなさを纏った宵越さぬ関係。
人魚姫の物語で目覚めた、儚いエロティシズム。
雨に濡れた窓ガラス越しの街景。
架空の追憶がちらちらと滲む、大阪インペリアル。
今回も、そう言えば。
猛暑日の昼下がりから夕刻まで、
思うままに過ごしてふと窓の外を見やったら。
大阪の街中が洗い流されてしまいそうな大雨、
長く激しく終わりがないようなスコールだった。
その雨の向こうへ、今回はお見送りする側に。

すっかり洗い流された翌朝は、
いつものモーニングコールでゆっくりと目覚めて
眼下に流れる大川の清々しい風景を見下ろしつつ、
「吉兆」で朝粥の和定食。
おだしが甘露この上なく、どの素材も舌に綺麗。
この朝ごはんは日本の最上級の文化のひとつ。
これぞまさしく皇帝級の朝食ですよ。


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