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2009/09/09

菩提樹でリュージュを。-その1-

夏と秋とがフュージョン、それともコンフュージョン?

8月最後の日曜日は、
この夏急逝した菩提樹Cafeマダムの忌明け翌日。
スイス・オルゴール「REUGE」をフィーチャーした
“女たちの19世紀クラシック”コンサートの日だった。

Rewge1

1年前、「REUGE」社の国内唯一である正規販売代理店とお仕事で関わりをいただき、その担当者のH氏に長久手の芸術館「菩提樹」を熱烈にお薦めしたのが、この出会いが実を結ぶきっかけに。オルゴールの楽曲リストには、19世紀の音楽やオペラなどが多いものだけれど、特に「REUGE」の選曲の多彩さは白眉。きっと故・菩提樹マダムも興味を示されるに違いない。なによりも菩提樹と言う比類ない“芸術館”と、マダムという素晴らしい“芸術案内人”の存在をH氏に知っていただきたくて。蝙蝠、まだH氏とも2度目だったにもかかわらず、菩提樹についてとにかく夢中でお話ししたのをおぼえている。

間もなく彼は菩提樹に足を運んでくださり、マダムと意気投合して2時間以上も過ごされたとか。彼女からも、オルゴールの楽曲リストや音色、その歴史の深さに感銘した様子が、蝙蝠の元にメールで、お電話で寄せられた。

ミツバチならぬ蝙蝠の縁結び、
いつか何らかの形で実を結ぶといいな。

そーんな風に思っていたから、この初の企画が立ち上がり、彼女からコンサートの趣向についてなどご相談いただいた時も嬉しくて嬉しくて、その日が来るのを本当に指折り数えていた。

マダムの思いついた企画はやはり、彼女ならではの見識とセンスに溢れた内容。世界的作曲家達の陰で活躍した女性作曲家たちにスポットを当て、彼女たちの楽曲がプログラムされたオルゴールの音色のみならず、いかにも女性らしい優雅な旋律をマダム自身もピアノで奏でるという趣向だった。
折しも、8月の終わりから始まる映画『クララ・シューマン』の公開にも併せたタイムリーな企画だっただけに、彼女の巧みな案内で実現することが不可能になってしまったことは、本当に残念。。。

でも、この日はH氏が「せめてコンサート企画のかわりに」と、REUGEオルゴールをいくつもご用意され、オルゴールの歴史やさまざまな興味深いエピソードなどとともに紹介してくださることに。ビジネスを超えたこうした自然な想いの繋がりが生まれたことを、心から嬉しく思う。

亡くなる直前にマダム自身より菩提樹メンバーに送付されたラストメールから、一部抜粋して下記にご紹介します。

:::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::::
◆リュージュ・オルゴール コンサート
 「オルゴールが奏でる19世紀ロマン派」  
2009年8月30日(日) pm2:00開演 
レクチャー&ピアノ演奏:大島 千佳  
オルゴール演奏曲目:
クララ・シューマン、ファニー・メンデルスゾーン、アルマ・マーラー
ブラームス、ショパン他の音楽
ピアノ演奏曲目:オルゴールに使用された音楽の原曲
関連する音楽作品

幸運にも19世紀半ばに創業したスイスの高級オルゴール・メーカー、リュージュ社のオルゴール輸入代理店から大変貴重なオルゴールを何台かお借りすることができることとなりました。その代理店はスイス・リュージュ社の国内総代理店をつとめ、京都嵐山オルゴール博物館も運営されています。

かつてヨーロッパの貴族らが愛用した高級オルゴールは、最高の職人の技が生み出した芸術品といえます。手作業で膨大な数のピンを埋め込んだシリンダーがゆっくり回転すると、きらきら宝石のように輝き、その美しさに息を呑みます。またシリンダーが収められている木製の箱は、シンプルなものから象嵌細工をほどこした高級家具仕様のものもあります。

曲目はオルゴールが大変愛好された時代の18世紀から19世紀のクラシック音楽が中心となっています。一般的にはクラシックの作曲家といえば男性を思い浮かべるかと思いますが、19世紀には女性の才能ある音楽家もいました。しかし、時代的に女性が前面に出ることが難しかったため、歴史の中に埋もれていましたが近年こうした作曲家の作品が再評価されています。その中でも最も良く知られているのはロベルト・シューマンの妻であり、ピアニストとしても作曲家としても才能に恵まれたクララ・シューマン。他に、今年生誕200年を迎えたフェリックス・メンデルスゾーンの姉ファニー・メンデルスゾーンや、グスタフ・マーラーの妻だったアルマ・マーラーなどがいます。リュージュ・オルゴールにはこうした女性作曲家の作品が選曲されているものがあり、ヨーロッパの文化の成熟度を感じさせます。

この度の菩提樹でのオルゴール・コンサートは、こうした女性作曲家と彼女たちを取り巻く男性たちの音楽作品をオルゴールとピアノの演奏でお楽しみ頂くという凝った企画です。今年が生誕190年に当たるクララ・シューマンにつきましては、この夏映画も公開されます。併せてご覧頂くと、より19世紀ヨーロッパが、当時の女性の生き様が感じられることと思います。

菩提樹では8月よりピアノ誕生300年記念企画のレクチャー・シリーズも始まりますが、19世紀のピアノの発達史とオルゴールの発達史には重なる点も多くあります。19世紀のヨーロッパの文化史の知識を深める良い機会になるでしょう。

今年2月ウィーン菓子お茶会でリュージュのオルゴールが紹介された時の様子はこちら

オルゴールや自動演奏楽器について

映画「クララ・シューマン」のオフィシャルサイト
(名古屋では8月下旬より公開中)

Reuge1

この日のレポートはまた後ほど。

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コメント

嬉しい出会いだったね。
澄みきった心と想いは通い合うんだよね。
蝙蝠ミツバチさん、やっぱ種火ちゃんだね。

投稿: misacin | 2009/09/09 10:58

そのオルゴール、聴いてみたい。

私が初めて持ったオルゴールを思い出した。
小学校1年生くらいで、ピンクで曲は乙女の祈り。
ふたを開けると右側に木で出来ていて可愛い白のチュチュを着ているバレリーナが入っており、それを乗せると磁石かなんかの関係で曲に合わせて踊る。(って言うかぐるぐる移動する)

投稿: ゆきよ | 2009/09/11 16:26

オルゴールは ファンタジーな感じと何故か寂しく切ない音色が同居しているその怖い程の切なさに惹かれまする~♪映画見てみたい。

投稿: ヒロコ | 2009/09/13 11:16

コメントありがとう。

MISACHIN

嬉しい出会い・・・と思えば思うほどに
同時に無念さが募ってなりません。
まだまだその苦しみは簡単にはほぐれないけど、
ひとつひとつを深く考えながら今を生きています。

**************************************************************
彼女のような人の種火にはとても簡単には
なれるものじゃないと思っていたから、
じっくりとこれからの人生をかけていこうと。
それに値する出会いだっただけに
蝙蝠は未だ宵闇を目隠しして飛びまわるばかり。

ゆきよちゃん

ああ、蝙蝠もそれぐらいの頃、
父の外国みやげでもらったよ。
まだあるけどね。
白のチュチュだったよね。
どんな曲だったかな。
REUGEの生の音色はちょっと驚愕!です。
LVには代理店ないのかしら〜?

ヒロコさん
ゼンマイじかけだから、時間とともに
ゆっくりになって、コトリと終わる。
そこが人の人生のようでもあり、
せつなく感じるのかな。

クララ・シューマンの映画、
夫シューマンと若き作曲家ブラームスの間で心を揺らす、才高き女性のドラマチックな人生。
ちょっとドキドキします。。。


投稿: IGGYHONEY | 2009/09/14 02:30

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