南相馬の夏、風立ちぬ。
ただ、ただ、
なにもない、ほんとにほんとに、なんにもない
だれもいない、ほんとにほんとに、だれもいない
ただただ、
うちよせる白波と、あるけば足跡のみを残す白砂と
そしてすべて失われた跡に、葉を伸ばしひろがる叢
それだけが、動き、ひたすら生きているものとして
ただただ、
潮風と陽射しに乾ききったわたしの目玉に映るのみ
ただただ、わたしひとりが、そこに立ち、
ただただ、ひろがる夏空の下
ただただ、掌を合わせるのみ
こころは「空」でありました。
色即是空 空即是色 受想行識
黒い爪痕は忘れ去られ
眼に見えないものを
呼吸しつづける現実
ただただそれだけが
わたしの胸に刻まれた
なんにもない でも そこにある
南相馬の海辺にて 2013.8.16
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